【1月16日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は15日、待ち望まれていた中国との「第1段階」の貿易合意に署名した。合意内容には、中国が米国からの輸入を大幅に増やすことなどが盛り込まれた。

 中国は今後2年間で、米国からの輸入を貿易戦争前の2017年比で2000億ドル(約22兆円)増やすことで同意。これには農産・海産品320億ドル(約3兆5000億円)分、航空機や機械、鉄鋼などの製造品777億ドル(約8兆5000億円)分、エネルギー製品524億ドル(約5兆8000億円)分が含まれる。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)での署名式で、「きょう、われわれは重大な一歩を踏み出した。中国との間ではこれまでになかった一歩だ」と指摘。合意によって「公正かつ互恵的な貿易」が実現すると説明し、「われわれは共に過去の間違いを正す」と述べた。

 トランプ氏はその後、中国の劉鶴(Liu He)副首相と共に合意文書に署名した。劉副首相は中国側の交渉チームの代表として、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)代表やスティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)米財務長官との協議を行ってきた人物。

 トランプ氏はまた、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に感謝の意を表し、「それほど遠くない将来」に中国を訪れる意向を示した。

 ただ、中国からの輸入品数千億ドル(数十兆円)分に対する関税は今後も維持されるため、米国の消費者と企業はこの負担を引き続き強いられることになる。トランプ氏は、関税の撤廃は「第2段階ができる場合」のみ実現するとの考えを示した。(c)AFP