【1月19日 CNS】中国・広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の広州税関は13日、不正輸入された腕時計約9万個を押収し、容疑者19人を逮捕したと発表した。不正の総額は約4億元(約64億円)に上るという。

 広州税関によると、広州郵便局の税関で入境郵便物の検査を行う中で、マカオ(Macau)から中国本土に発送された郵便物に異常があることを発見。内容物について、申告書には「ストップウオッチ」とあり、価格は150元(約2400円)から200元(約3200円)の間と記載されていた。同郵便物の発送者はいずれも物流会社で、郵便物の寸法と包装はほとんど同じだった。

 さらに検査を進めると、郵便物の中には「ロンジン(LONGINES)」や「カシオ(CASIO)」などのブランド腕時計が入っており、市場価格は1500元(約2万4000円)から2万6000元(約42万円)の間であることがわかった。

 広州郵便局税関は、同様の特徴を持つ郵便物を対象として抽出、マカオから広東省への郵便車両の管理と巡回検査を強化し、一挙に520件の不正輸入品を差し押さえた。

 捜査の結果、犯罪グループの存在が徐々に明らかとなった。このグループは上海の貿易会社の名義を使い、海外で高級腕時計を買い付けし、郵便ルートで虚偽の品名と価格で申告を行うか、あるいは「運び屋」を使って中国国内へ不正に持ち込み、インターネット通販などで販売、巨額のメリットを得ていたという。

 広州税関は6日早朝、上海、深セン(Shenzhen)、黄埔(Huangpu)税関の協力を得て、上海静安(Jing’an)の警察と共同で上海と広東の両地で一斉摘発を行った。上海、深セン、東莞(Dongguang)などで容疑者19人を逮捕したほか、不正輸入された腕時計や物証などを押収した。(c)CNS/JCM/AFPBB News