【1月12日 AFP】男子テニスの国別対抗戦ATPカップ(ATP Cup 2020)は11日、オーストラリア・シドニーで準決勝が行われ、スペインはラファエル・ナダル(Rafael Nadal)がオーストラリアのアレックス・デミノー(Alex de Minaur)との熱戦に勝利し、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)擁するセルビアとの決勝に進出した。

 ロベルト・バウティスタ・アグト(Roberto Bautista Agut)がニック・キリオス(Nick Kyrgios)を退けて迎えた第2試合で、ナダルは4-6、7-5、6-1で気持ちの入ったデミノーに逆転勝利し、デビスカップ(Davis Cup 2019)王者のスペインを決勝へ導いた。

 今年から始まった今大会は、各国の世界ランキング最上位の選手同士が対戦する方式のため、ナダル対ジョコビッチという強豪二人の通算55回目の対戦がカップ戦で実現することになった。2006年に初めて顔を合わせた両者の対戦成績は、ジョコビッチの28勝26敗で、2019年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)でもジョコビッチが勝利している。

 ナダルは「アレックスは非常にレベルの高いプレーをしていて、こちらはいつもより少しエネルギーが足りなかった。それでも非常に感動的な夜だったし、ここでプレーできてうれしい」とコメントした。

「(セルビアとは)非常に厳しい決勝になるのは分かっている。ノバクはここが大得意だし、何度も素晴らしい結果を残している。あとはやってみてどうなるか。僕らだって良いチームだ」

 試合はデミノーが勢いのあるスタートを切り、開幕のゲームでいきなりブレークを奪うと、その後も圧力をかけ続け、ナダルの得意のフォアハンドを制限して46分で第1セットを獲得した。

 エネルギーにあふれるデミノーはサーブに威力があり、ラリーでも勝っていたが、それでもナダルはその攻勢をしのぎ、最後にブレークをもぎ取って第2セットを奪取。最終セットは、勢いを失って試合の流れを手放したデミノーを一気に押し切り、四大大会(グランドスラム)優勝19回の貫禄を見せつけた。

 一方、元気のないキリオスを6-1、6-4で落ち着いて退けたバウティスタ・アグトは、「相手に常にプレッシャーをかけて、楽にプレーさせないゲームプランだった。その作戦がうまくいった」と話した。(c)AFP/Martin PARRY