【1月10日 AFP】森林火災が猛威を振るっているオーストラリア南東部に取り残された住民の救出に当たる豪海軍が10日、新たな任務を引き受けることになった。アルコールが底を突きつつある同地へビールを届けるという。

 海軍は南東部の町マラクータ(Mallacoota)に揚陸艇を派遣。昨年12月31日から取り残されていた1000人以上が救助されている。

 国防省がAFPに明らかにしたところによると、揚陸艇が何度か往来を重ねるなどして差し迫った状況が落ち着けば、海軍はビール缶の積み荷など、喉の渇きを感じている生還者らが待ち望む物資を搬送するという。

 同省は「ビールは揚陸艇の余計なスペースも占領しておらず、ビールを積み込むために必需品が降ろされたということもない」と説明している。

 ビール会社のカールトン・アンド・ユナイテッド・ブリュワリーズ(Carlton & United Breweries)は10日、マラクータのホテルがビールを切らしつつあるため、同ホテルに送るビールをサーベラス海軍基地(HMAS Cerberus)に届けたと発表した。

 マラクータは、平時にはおよそ1000人が暮らしている町。たる20本とパレット4枚分のビールとシードル(りんご酒)も搬送物資に含まれている。

 同社のピーター・フィリポビッチ(Peter Filipovic)最高経営責任者(CEO)は、「マラクータの住民と消防隊員らが事態を何とか切り抜けた後、少なくとも私たちができることはビールを楽しんでもらえるようにすることだ」と述べた。(c)AFP