【1月14日 東方新報】中国応急管理部の公式サイトによれば、この2年の間、貴州省(Guizhou)で炭鉱事故が頻発しており、国務院安全生産委員会として昨年12月25日に貴州省政府から聴き取りを行った。

 貴州省では昨年12月17日未明、安竜県(Anlong)広隆炭鉱でガス爆発が起きて16人が犠牲になった事故が起きたばかり。統計によれば、貴州省はこの2年の間に46件の炭鉱事故が起き、2018年には43人、2019年には56人の計99人の犠牲者が出ている。これは炭鉱事故死者数としては2年連続で全国で最悪となる。

 また、この2年の間、連続してこれほど多くの炭鉱事故が起きたのは貴州省だけだった。国務院安全生産委員会は、貴州省が直面している安全生産上の厳しい状況を認識して責任が取られているか、人民を中心とする理念が貫徹されているかを検証するよう指導した。さらに、貴州省政府と関連部門に安全発展理念を堅持し、安全生産をしっかりとすることを求めた。

 応急管理部によれば、2018年の全国の炭鉱死亡事故件数は大幅に減少している。一時は年間8000人近く死亡していたが、2018年は333人にとどまった。この背景には炭鉱の整理が進んだことがある。一時は3万か所以上あった炭鉱は2018年までに5700か所あまりに減少。一方で効率的・集中的な石炭採掘により、石炭産出量は1999年の12億2000万トンから36億8000万トンに増加している。

 2005年の重大炭鉱事故は58件だったが、2018年は2件にとどまった。数字からみれば、炭鉱の安全生産状況は大幅に好転した。

 だが、貴州の場合、地層が複雑で、いまだ小規模炭鉱が多い。2019年に貴州で発生した炭鉱事故のうち、年間生産量が30万トン以下の炭鉱で発生したものが8件あった。このため昨年12月17日の安竜県の事故以降、年間生産30万トン以下の炭鉱は即刻閉鎖の命令が出された。貴州で年間生産30万トン以下の炭鉱がすべて閉鎖されると、およそ生産量2800万トン分の炭鉱が閉鎖されることになるという。

 この結果、石炭価格の上昇などが心配されているが、世界で最も石炭を生産・消費し、全国300万人以上が炭鉱事業に従事している国家として、炭鉱現場の安全管理と責任の徹底は妥協できないテーマといえる。(c)東方新報/AFPBB News