【1月28日 東方新報】中華文明のゆりかご「黄河(Yellow River)」。中国・河南(Henan)、甘粛(Gansu)、陝西(Shaanxi)といった黄河流域の省では、周辺の魅力を発掘して観光の目玉にしようという動きが盛り上がっている。

 河南省文化観光当局は昨年末、初の黄河文化をテーマとした観光ルートを打ち出した。「中華文明の源流をさかのぼる旅」「大河風光体験の旅」「黄河水利治水工学研究の旅」と銘打ち、河南の人文歴史を網羅しているのが特色だ。ルートは計9本あり、古都探源、祖先ルーツ探索、カンフー体験などが含まれる。

 甘粛省は「文化観光資源の発掘開発、ネットで人気のSNS映え都市をつくる」とアピール。同省の蘭州市(Lanzhou)は黄河に貫かれる唯一の都市で、独特の自然景観と黄河文明の粋が最も集中した都会だと紹介している。

 同市はシルクロード経済ベルトの中心都市として、この5年の観光客数、観光収入はいずれも年平均20%以上の増加率を誇っており、2019年はホテル不足にもなるほどで、国内で最も人気の「SNS映え」の観光スポットだという。

 市は蘭州バレエ団や蘭州音楽庁合唱団などの芸術舞台創作にも力を入れており、それが観光の目玉にもなっている。

 また、トップダウンで景勝区建設計画が進められており、例えば水車園や水車博物園の改造のほか、水上観光センター、黄河風情知識観光や健康歩道プロジェクトなどの交通インフラ整備も進んでいる。

 昨年11月24日に北京で開かれた黄河ゴールデントライアングル・黄河文化観光ハイクオリティー発展大会には、陝西省渭南市(Weinan)や、北京市海淀区(Haidian)、山西省(Shanxi)運城市(Yuncheng)などの文化観光当局者が出席。黄河をキーワードとした文化観光発展の新たな枠組みをつくろうと協力していくことを訴えた。(c)東方新報/AFPBB News