【1月15日 東方新報】中国・湖北省(Hubei)宜昌市(Yichang)で9基目の長江大橋「伍家崗(Wujiagang)長江大橋」の川をまたぐ先導ロープの施工が25日に完成し、橋の上部の結合工事に入った。この橋は幅1160メートル、宜昌市中心街において初めての1000メートル級の大橋で、中交二航局と中建三局が合同で施工している。総工費は33.66億元(約531億6260万円)。

 この橋は国務院による「長江経済ベルト総合立体交通回廊計画」の一環で、湖北省で19本の長江を渡る交通路の一つ。絶滅危惧種のカラチョウザメ自然保護区にあたり、ヨウスコウイルカやえんじ魚などの生息地でもある。長江の希少生物やその多様性を守りながら、距離1160メートル、幅33メートルの六車線道路の橋を架けるために、つり橋型にし、川にまず先導ロープをかけて空中で工事を行う施工法を採用した。

 先導ロープは直径32ミリ、長さ2350メートルの高強度のスチールロープ。二艘1200馬力の船で南北両岸に立つ157メートルのメイン支柱から川の中心の定位置までロープを引っ張り、両方のロープをつないだあと、ポールの先端の巻き上げ機で川面から高さ30メートルまでにロープを張る。川面の作業は3時間程度ですむ。

 この建設法はつり橋上層部を先につくり、その後に橋の部分をつくるというこれまでの工法の発想を逆転させたもので、中建三局が自主知財権をもつ「空中建」機技術を使用している。この伍家崗長江大橋計画が完成したのち、宜昌市はさらに内、中、外の3つの幹線道路と複数の高速道路網を建設、長江中上流域の世界的水力発電観光都市としての交通インフラを整備していく予定だ。

 目下四川省(Sichuan)宜賓(Yibin)から上海市呉淞口(Wusongkou)までの2940キロの長江に建設された長江大橋は115基。最近開通したのが武漢(Wuhan)楊泗港(Yangsi)長江大橋だ。過去数十年の経験を積み、中国の橋建設はいまや世界先端技術を誇るようになった。

 世界10大海峡大橋のうち6基が中国にあり、つり橋トップ10の6基、斜張橋トップ10の7基、アーチ橋トップ10の7基、いずれも中国にある。中国国家鉄路集団(China Railway)のエンジニアによれば、中国の新幹線用橋数はすでに3万を超え、総距離にして1.7万キロという。(c)東方新報/AFPBB News