【1月12日 CNS】中国・陝西省(Shaanxi)宝鶏市(Baoji)の楊さんは携帯電話の料金を滞納し、電話会社「中国聯合通信(チャイナ・ユニコム、China Unicom)」から番号を抹消されてしまった。もし、この番号を取り戻したいなら19万2000元(約300万円)の電話料金の先払いが必要と言われた。多くのメディアが6日、このニュースを報じた。

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 多くのネットユーザーが反応し、「大会社は客をいじめる」「人気(番号)に乗じて金稼ぎ」「ラッキー番号商法は違法なはずだ」「電話会社の最低料金設定は市場の道理から外れている」などの声が上がった。

 報道によれば、楊さんは10年前に中国聯合通信の末尾が8888の電話番号を手に入れた。当初は「毎月の最低料金500元(約7900円)の3年契約」で、3年契約終了後は毎月数十元のセット料金に切り替えていた。ところが、2019年12月に電話を使おうとして、番号が抹消されていることに気が付いた。

 同社の職員は楊さんに「末尾8888のラッキー番号の標準料金は毎月800元(約1万2700円)で20年間契約なため、累計料金は19万2000元になる」と説明。また「19年4月11日から滞納しているので、もし番号を復活させるなら、まず滞納分を清算してから、現行のラッキー番号の料金設定で改めて契約しなければならない」と言ったという。

 実はラッキー番号問題は、MNP(番号そのままでの電話会社の切り替え)サービス開始以前から、ずっと議論され続けている。

 あるユーザーは、ラッキー番号を申請した時、2050年までの縛りのある契約をさせられ、電話会社変更の際には違約金支払いを要求された。他のユーザーは、末尾が6666で中国聯合通信ではラッキー番号ではなかったが、中国電信(チャイナテレコム、China Telecom)に切り替えたところ、ラッキー番号扱いとなり、毎月599元(約9500円)で先払い2万4000元(約38万円)を請求された。

 しかし何はともあれ、携帯電話のラッキー番号は依然「おいしいアイテム」だ。アリババオークションで17年に7が8個連なったラッキー番号が391万元(約6200万円)の高値で落札された記録がある。

 ラッキー番号にまつわる多くの人が知らない事実が存在する。携帯電話のユーザーは自身が使う番号の所有者ではなく、実は借り手にすぎないということだ。電話番号は「電信網番号資源管理弁法」に基づき国家が所有し、それを使用者に有償で提供している。

 ある携帯通信専門の分析家は「ユーザーと電話会社の電話番号の契約は本質的にはレンタル契約だ。管轄する工業・情報化部は電話会社による番号の売買の禁止を明文化してもいる。国家がラッキー番号を認めていないのに、市場ではこれが奪い合いだという矛盾した状況のもと、電話会社とユーザーとの協議だけでなく、国の主管部門がラッキー番号市場の規範化の政策を打ち出すべきだ」という意見を述べている。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News