【1月7日 AFP】大規模な森林火災が続くオーストラリア南東部で7日、短時間気温が低下し、切望されていた雨がようやく降った。今週にも熱波の再来が予想されており、消防隊はこの機会を最大限に生かそうと消火活動に奔走した。

 消火活動で疲弊したボランティアたちは、防火壁を修理し、草木の手入れをすると、野焼きを実施した。

 ニューサウスウェールズ州地方消防局(New South Wales Rural Fire Service)のシェーン・フィッツシモンズ(Shane Fitzsimmons)局長は、「今後数日間にわたる潜在的な被害と火災の発生を制限する対策の補強を今まさに行っている」と説明。現状は「はるかに好ましい」が、「今週中に再び気温が上昇すると予想している」と警告した。

 オーストラリア東部一帯では多数の大規模森林火災が続いており、火の勢いを食い止められずにいる。ニューサウスウェールズ州とビクトリア(Victoria)州の森林火災が合体して、制御不可能な巨大火災になるとの懸念が高まっている。

 6日の降雨は若干の安堵(あんど)をもたらしたが、消火には不十分だった。雨で消防隊の作業が妨げられる場所もあった。

 昨年9月から続く森林火災により、これまでに25人が死亡、住宅1800棟超が焼失。アイルランドや米サウスカロライナ州に匹敵する約8万平方キロが焼き尽くされた。

 来週は森林火災のピーク時の状況には及ばないと予測されているが、フィッツシモンズ氏は豪ABCに「誤った安心感」に陥らないことが大事だと語った。

 森林火災の多くは消火するには規模が大きすぎるため、継続した雨が唯一の解決策となり得るという。(c)AFP/Glenda KWEK