【1月7日 AFP】英国で最も稼ぐ最高経営責任者(CEO)らは、今年に入ってから6日夜の時点で、同国の平均的な労働者の年収以上を稼いでいるとする新たな調査結果が発表された。

 英シンクタンク「ハイ・ペイ・センター(High Pay Centre)」と人材開発協会(CIPD)の調査によると、ロンドン証券取引所のFTSE100指数を構成する企業のCEOの平均年収は、労働者の117倍に上るという。

 また、平均的な労働者の年収が2万9559ポンド(約422万1600円)なのに対し、CEOの平均年収は346万ポンド(約4億9400万円)で、CEOはたった3日で労働者の年収を得ていることも分かった。

 英国では、賃金格差や10年間に及ぶ厳しい緊縮財政の影響が長年懸念されてきた。

 同国では現在、従業員250人以上の上場企業がCEOと一般的な従業員の報酬額を公開し、その差が正当である根拠を示すよう法律で義務付けられている。研究者らは、賃金の透明性を高める法律が導入されたことにより、高賃金が今年の重要課題の一つになると指摘している。

 ハイ・ペイ・センターのルーク・ヒルデヤード(Luke Hildyard)代表は、賃金格差によって英国が「欧州で最も不平等な国」になったと述べた。(c)AFP