【1月5日 AFP】イラン革命防衛隊(IRGC)の副司令官は3日、IRGCの精鋭部隊である「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官を米軍が殺害した後、米政府がイラン政府に対し、「相応」の規模での対応を要請してきたと主張した。

【解説】サイバー攻撃?ホルムズ海峡封鎖?米による司令官殺害 イラン報復の選択肢

 対外工作を担うコッズ部隊のソレイマニ司令官は、イラクの首都バグダッドで3日未明、米軍による無人機攻撃で殺害された。これに対しイラン政府は報復を誓っている。

 そうした中、IRGC海軍の将官であるアリ・ファダビ(Ali Fadavi)氏は3日夜に国営テレビで、ソレイマニ司令官殺害から数時間後の同日朝、米国側が「外交手段に訴えてきた」と話した。

 国営テレビのウェブサイトが同氏の発言として伝えたところによると、米国側は「イランが報復に出たければ、われわれがやったのと相応の規模で報復してくれ、とさえ言ってきた」という。

 イランと米国の外交関係は40年にわたって断絶しており、宿敵である米国からイランがどうやってメッセージを受け取ったのかについて、ファダビ氏は明確な説明をしなかった。

 だがファダビ氏は、米国がイランの対応を「決定する」立場にないとし、「米国民は重大な報復を待たねばならない」と述べた。

 その一方、イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は同日夜、別のテレビによるインタビューで、「スイス大使がけさ、米国からのばかげたメッセージを伝えてきた」と説明。

 同日夕方、スイス当局者が「呼び出され、米国の厚かましい書簡に対する断固とした返答を記した書簡を受け取った」と話した。

 スイス外務省は4日、同国の代理公使が3日朝にイラン外務省に召喚された際、米政府からイランに宛てた書簡を手渡したと認めた。米国とイランが国交断絶した1980年以降、在イランのスイス大使館が米国の利益代表部を担っている。(c)AFP