【1月5日 AFP】(更新、写真追加)カンボジア南部沿岸のケップ(Kep)州で3日午後4時半(日本時間同6時半)ごろ、建設中の7階建てのホテルが倒壊した。救助活動は5日、3日目を迎えて終局に近づいており、最終的な死者数は36人と発表された。

 同国のフン・セン(Hun Sen)首相は、生存者23人ががれきの中から救出されたと説明。

 犠牲者の遺族にはそれぞれ補償金として5万ドル(約540万円)、負傷者に対しては2万ドル(約216万円)が支払われると約束した。

 同首相は報道陣に対し、建設、請負業者は事故により死亡した一方、建物の所有者が拘束されたことを明かした。

 さらに5日、救助隊ががれきの中に閉じ込められていた犬1匹を救出した。

 40時間超にわたって続けられた救助活動では、兵士や作業員数百人が動員され、パワーショベルや削岩機、電動のこぎりを用いて、つぶれた建物のコンクリートの撤去や鉄筋の切断作業が行われた。

 カンボジアは建設ブームに沸いており、ホテルや高層ビル、カジノが増え続けているものの、建設業界に対する規制の整備は進んでいない。今回の倒壊事故で、建設業界は新たな痛手を負った形だ。

 国際労働機関(ILO)によると、カンボジア国内では推計20万人の建設作業員が働いており、労働組合規則の保護下にない日雇いの非熟練労働者が大半を占めている。労働者の権利保護を訴える人々は、建設現場の安全基準の低さが事故発生リスクを高めていると指摘している。(c)AFP