【1月5日 AFP】森林火災が猛威を振るうオーストラリア南東部で4日、空が黒く染まり、灰が降り注いだ。主要都市への電力供給の断絶が懸念され、森林火災に対応するため、予備兵3000人が動員されている。

 森林火災が起きているニューサウスウェールズ(New South Wales)州とビクトリア(Victoria)州の沿岸部は、高温と強風に見舞われている。

 ニューサウスウェールズ州のグラディス・ベレジクリアン(Gladys Berejiklian)首相は、大規模な避難によって人的被害は最小限に抑えられるものの、最悪のシナリオが「実現しつつある」と警鐘を鳴らした。

 森林火災で変電所2か所と送電線が焼失したことを受けて、人口約800万人を抱え、同国最大都市シドニーがあるニューサウスウェールズ州の当局は、輪番停電を実施する可能性があると警告した。

 南東部の人口密集地の大部分で非常事態が宣言され、3州で10万人超に避難勧告が出された。

 4日には複数の緊急警報が発令され、シドニー南東の森林火災1件が同市郊外に到達する恐れが出てきた。

 オーストラリア気象局(Bureau of Meteorology)の報道官によると、シドニー西郊ペンリス(Penrith)で観測史上最高となる48.9度を記録。首都キャンベラも、観測史上最高の44度を記録した。

 昨年9月末から続いている森林火災では、これまでに23人が死亡したほか、ベルギーまたは米ハワイ州の約2倍に相当する面積が焼失し、家屋1500棟が被災した。(c)AFP/Holly ROBERTSON / with Andrew Beatty and Glenda Kwek in Sydney