【1月4日 AFP】保守系の国民党(OeVP)と環境政党・緑の党(Greens)が発足させたオーストリア連立政権は2日、温室効果ガス排出量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を2040年までに達成する目標を掲げた。欧州連合(EU)の目標年限である2050年を前倒しし、欧州の気候変動対策をリードすることを目指す。

 両党の党首が記者会見を行い、新政権の政策を発表した。

 国民党が掲げる反移民政策は世論を二分してきたが、この政策は連立政権でも維持されている。新政権はまた、同党が主要な選挙公約としてきた治安対策にも重点を置く方針。首相に返り咲くセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)国民党党首(33)は、「移民問題はこれからも私の政策の中心をなす」と述べた。

 隔たりの大きな2党だが、昨年9月の総選挙の結果を受けて連立が実現。緑の党にとっては初の政権入りとなった。同党のウェルナー・コグラー(Werner Kogler)党首は記者団に対し、両党の連立には「賭けてみる価値がある」と語った。

 クルツ氏によると、新政権では国民党が内務、外務、国防、財務を含む10省、緑の党が権限を拡大した環境省のほか、法務、社会問題、スポーツおよび文化関連の各省の大臣を出す。また、コグラー氏は副首相に就任する。

 オーストリアでは昨年、国民党と極右政党の連立政権が汚職疑惑で崩壊。クルツ氏が首相辞任に追い込まれた。(c)AFP/Julia ZAPPEI