トルコ国会、リビア派兵を承認 トランプ氏「介入」をけん制
このニュースをシェア
【1月3日 AFP】リビアの内戦をめぐり国際社会の緊張が高まる中、トルコ国会は2日、国連(UN)が認めるリビアの国民統一政府(GNA)支援を目的とした同国への派兵を承認した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はリビアに対する「外国の介入」に反対する意向を示し、トルコを強くけん制した。
GNAは昨年4月以降、民兵組織「リビア国民軍(LNA)」による攻勢を受けている。同組織を率いているのは元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏で、トルコと敵対関係にあるサウジアラビアやエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)の後ろ盾を得ている。
レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はまた、ロシアがハフタル氏の部隊を支援するため民間の傭兵部隊をリビアに派遣していると繰り返し主張してきたが、ロシア政府はこれを否定している。ただ、トルコとロシアはシリア内戦をめぐり対立する勢力を支援しているにもかかわらず緊密な協力関係を保持しており、リビア情勢に関しても同様の協調行動に出るとみられる。
トルコの大統領府は先月27日、GNAから軍事支援の要請があったことを認めていた。派兵承認を求める動議は賛成325票、反対184票で可決された。トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は採決後、ツイッター(Twitter)で「リビア動議は国益の保護と地域の和平・安定に重要だ」と述べた。
ホワイトハウス(White House)によると、トランプ大統領は採決後、エルドアン大統領との電話会談で「外国の介入はリビア情勢を複雑化させる」と伝えた。さらにエジプトも派兵承認を強く非難し、「国際法とリビアに関する国連安全保障理事会(UN Security Council)決議に対するはなはだしい違反」だと主張した。(c)AFP