【1月2日 AFP】森林火災が猛威を振るっているオーストラリアの沿岸地域で2日、当局が多数の観光客に対し、48時間以内に避難するよう勧告した。今週末に熱波が予想されており、火災はさらに広がるとみられている。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の地方消防局(RFS)は2日朝、同州ベイトマンズベイ(Bateman's Bay)の観光スポットから南東部の美しい海岸沿い、隣接するビクトリア(Victoria)州までの約200キロの地域を「観光客退去ゾーン」に指定したと発表。ビクトリア州当局も、犠牲者がさらに増えることを防ぐため、火災の危険がある地域で避難勧告を行っている。

 大みそかには、オーストラリア南東部一帯に火災が広がり、沿岸部の町が火災に囲まれて観光客らが立ち往生したほか、少なくとも8人が死亡。山火事発生以来1か月がたつ中で、1日の死者数としては最多の犠牲者が出た。山火事が多い季節でも最悪クラスの被害が出ている今回の火災で、これまでに死亡した人は少なくとも18人になった。

 今月4日には新たに熱波の予報が出ており、全国で突風が吹き荒れ、気温は40度を超えると予想されていることから、当局は火災が広がっている地域で観光客に対して、4日までに避難するよう勧告している。今週末は、火災にとって大みそかと同程度の危険な気象条件がそろうと当局者は指摘している。(c)AFP/Holly ROBERTSON