【12月31日 AFP】ソマリアの首都モガディシオで28日に発生した大規模な自動車爆弾攻撃について、同国のイスラム過激派組織「アルシャバーブ(Al-Shabaab)」が30日、音声による犯行声明を発表した。ソマリア情報省によると、この攻撃による死者は81人に上った。このうち2人はトルコ人だという。

 自動車爆弾攻撃があったのは、モガディシオ南西部にある検問所。爆発当時は検問を待つ車両で渋滞していたため、近くの十字路には爆発で焼け焦げた車の残骸が散乱。この2年間で最悪の死傷者を出す攻撃となった。

 アルシャバーブは通常、現在も維持している一部のソマリア人からの支持を失うことを恐れて、多数の民間人が犠牲になった攻撃について犯行声明を出すことはまれだ。

 この攻撃について、アルシャバーブのアリ・モハムド・ラゲ(Ali Mohamud Rage)報道担当は音声メッセージの中で「ムジャヒディン(聖戦士、Mujahideen)がトルコの傭兵(ようへい)と彼らを護衛していた背教者の民兵らの車列を標的に攻撃を実行した」と述べた。

 自動車爆弾攻撃の死者には、モガディシオ市内のバナディール(Banadir)にある私立大学に通う学生16人が含まれていた。学生たちは、乗っていたバスが十字路に差し掛かった時に爆弾が爆発して犠牲になった。

 アルシャバーブは、犯行声明の中で「ソマリアのイスラム社会にもたらした犠牲を申し訳なく思う」と述べ、組織の攻撃によって民間人の死傷者が出たことを初めて謝罪した上で、ソマリア政府やその外国の支援者らとの戦いにおいては必要なことだったと、攻撃を正当化した。

 さらに、ソマリアの資源を支配しようとしているとしてトルコを非難。「トルコはわれわれの敵であり、これまでも言ってきたように、彼らがわれわれの土地から出ていくまで戦いを続ける」と宣言した。

 ソマリアにとってトルコは主要な資金援助国だ。特に人道支援や復興支援の分野で多くの投資を受けており、モガディシオの港や空港はトルコの企業が運営している。(c)AFP