【12月31日 AFP】ボリビアのヘアニネ・アニェス(Jeanine Anez)暫定大統領は30日、駐ボリビアのメキシコ大使と2人のスペイン外交官の計3人を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定し72時間以内の国外退去を命じると発表した。これを受けてスペイン政府も同日、駐スペインのボリビア外交官3人に国外退去を命じた。

 アニェス氏は、外交官らが「ボリビアの国民と政府の主権と尊厳を深刻に損なった」と非難した。メキシコ外務省は、ボリビア政府の措置は「政治的」だと非難し、大使に帰国を指示したと述べた。

 ボリビア政府は、スペイン大使館職員らが27日に、指名手配されているエボ・モラレス(Evo Morales)前大統領の元側近を引き取ろうと、覆面の男らと共にボリビアの政府所在地ラパス(La Paz)にあるメキシコ大使館への潜入を試みたと非難していた。

 モラレス氏は10月の大統領選で4選を果たしたものの不正があったと広く非難され、数週間の抗議デモを経て11月に辞任し、現在はアルゼンチンにいる。同氏には、ボリビアで扇動とテロの疑いで逮捕状が出ている。

 スペインとメキシコは27日の事案について、スペインの代理公使がメキシコ大使を短時間訪問した際のものだと説明した。モラレス前大統領政権の関係者を9人ないしはそれ以上保護したメキシコ大使館は、現在の外交摩擦の焦点となっている。スペイン政府は、モラレス氏元側近を引き取ろうとしたとの疑いを強く否定している。(c)José Arturo Cárdenas/AFP