【12月30日 AFP】(更新)中国は30日、世界で初めて遺伝子編集ベビーを誕生させたとされる同国の研究者、賀建奎(He Jiankui)博士に対し、違法な医療行為をしたとして懲役3年の判決を下した。国営新華社(Xinhua)通信が報じた。

 賀博士は昨年、遺伝子編集によりエイズウイルス(HIV)に耐性のある双子が誕生したと発表し、世界の科学界に衝撃を与えた。新華社によると、賀博士には罰金として300万元(約4700万円)の支払いも命じられたという。

 判決を下した深セン(Shenzhen)の裁判所は、賀博士が「生殖目的のヒト胚の遺伝子編集を違法に行った」としている。

 また新華社は、賀博士の実験の結果、これまでには確認されていなかった3人目の遺伝子編集ベビーがすでに誕生しているとも報じた。

 賀博士は昨年11月、世界で初めて遺伝子編集を施した双子の女児が同月誕生したと発表。博士はHIVへの感染を防ぐため、「クリスパー(CRISPR)」と呼ばれる技術を用いてある特定の遺伝子を取り除くという、DNAの改変を行ったと説明していた。

 世界の科学者らはこの発表に衝撃を受け、生命倫理上の疑問を投げ掛けた。同時に、中国当局の科学研究に対する監督のずさんさが浮き彫りになった。

 非難を受けて、賀博士は警察の捜査対象となり、中国政府から研究の中止を命じられるとともに、勤務先の大学から解雇された。(c)AFP