【12月30日 AFP】27日にイラク軍の基地がロケット弾で攻撃され米国人の民間業者の1人が死亡したことを受けて、米国は29日、イラクの親イラン派武装組織に対する空爆を実施し、戦闘員19人が死亡した。

 米国の空爆の数時間後には、イラクの首都バグダッド近郊の米軍関連基地の近くに4発のロケット弾が撃ち込まれた。負傷者は出ていない。イラクの治安職員がAFPに明らかにした。

 米国防総省は空爆について、イラクの武装組織「神の党旅団(カタイブ・ヒズボラ、Hezbollah Brigades)」を標的にしたもので、27日にイラク軍基地に発射されたロケット弾30発を超える攻撃に対するものだと説明。米軍は同組織のイラク内の拠点3か所と隣国シリアの拠点2か所の計5か所に攻撃を実施したと明らかにした。

 イラクでは、米国関連施設を標的とした迫撃砲とロケット弾による攻撃が10月下旬から繰り返し行われている。米国は米主導の連合軍のイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いの一環として、イラクに部隊5200人を配備している。

 米国が昨年、画期的なイランとの核合意から離脱し同国に過酷な制裁を再開して以降、米・イランは緊張関係が高まっている。一方、イラク政府は両国とも近い関係を持ち、板ばさみとなるリスクがある。(c)AFP