【12月27日 AFP】イラクのバルハム・サレハ(Barham Salih)大統領は26日、次期首相に親イラン派連合勢力が支持する候補者を推さず、「辞任する用意がある」と警告した。イラクで政治危機が深まっている。

 サレハ大統領は議会への書簡で、イラクの「独立と主権、統合、領土の保全」の保証を望むとする一方、組閣に際し、憲法では議会の最大勢力の選出した候補者を大統領が首相に指名することが定められていることに言及。「バスラ(Basra)県のアスアド・アイダニ(Assaad al-Aidani)知事に敬意を払う」ものの、アイダニ氏の首相への指名を拒否すると表明した。

 これが憲法に反する恐れもあることから、サレハ氏は議員らに対し「大統領職を辞任する用意がある」と述べた。アイダニ氏はイランが支持する候補者とみなされ、デモ参加者らはイランがイラクに内政干渉していると批判している。

 イラクでは首都バグダッドと南部での数週間にわたる抗議デモで、数百人の死者が出ている。一方議会では、アデル・アブドルマハディ(Adel Abdul-Mahdi)前首相の後継者選出をめぐり、こう着状態が続いている。(c)AFP