【12月26日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)政権批判の急先鋒(せんぽう)で、野党勢力指導者のアレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は25日、自身の側近の一人が強制的に徴兵され、北極圏の基地に派遣されたと訴えた。ナワリヌイ氏の支持者からは事実上の拉致行為だとの批判の声が上がっている。

 強制徴兵されたとみられているのは、ナワリヌイ氏主宰の反汚職基金でプロジェクトマネジャーを務めるルスラン・シャビッディノフ(Ruslan Shaveddinov)氏(23)。ナワリヌイ氏によると、23日に警察がモスクワにあるシャビッディノフ氏のアパートに押し入った後、シャビッディノフ氏は行方不明になった。携帯電話のSIMカードも無効化されたという。

 その後、シャビッディノフ氏は辺境である北極海のノバヤゼムリャ(Novaya Zemlya)島にある非公開の防空施設にいることが24日に判明したという。バレンツ海(Barents Sea)とカラ海(Kara Sea)を隔てる同島は、かつて旧ソ連が核実験を行っていた場所。

 ナワリヌイ氏はブログで、シャビッディノフ氏が「非合法的に自由を剥奪」された「政治囚」だと訴えた。一方でロシア軍は、シャビッディノフ氏が長期にわたって徴兵逃れをしてきたと主張している。

 ロシアでは18~27歳の男性に1年間の兵役義務があるが、不正な手段を用いて兵役を免れる人も多い。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO