米ボーイング、737MAXに関する新たな文書提出 議会筋「憂慮すべき事態指摘」
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【12月25日 AFP】米当局は24日、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)が2度の墜落事故を起こした737MAX型機に関する文書を新たにまとめ、規制当局と米議会に提出したと明らかにした。議会関係者は文書について、安全性の問題に対する同社の対応に関して「非常に憂慮すべき事態を指摘しているようだ」と述べている。
議会関係者がAFPに送ったメールによると、ボーイングは23日の夜遅くに文書を議会職員宛てに送付。米連邦航空局(FAA)も同じものとみられる文書を、デニス・マレンバーグ(Dennis Muilenburg)最高経営責任者(CEO)の辞任発表からわずか数時間後の23日午後に受け取ったと認めた。
ボーイングをめぐっては、最初の事故後も運航継続の決定を下したことや、安全性に関する社員の懸念を無視したとされる問題について調査が進められている。また、競合他社であるエアバス(Airbus)との機体開発競争で、安全性をないがしろにしたのではとの疑惑も取り沙汰されている。結局737MAXは2度の事故で計346人の死者を出し、3月から運航停止となっている。
航空会社を監視するべき立場にある規制当局もまた、ボーイングとなれ合いの関係にあったとして非難されている。
ボーイングが737MAXの運航再開の許可を勝ち取って信頼の回復を図ろうとする一方、事故の原因となったとみられる同社の姿勢に今後も疑いの目が向けられ続けることは今回の文書提出でも明白だ。(c)AFP/John BIERS