【12月24日 AFP】22日に行われたイングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)対チェルシー(Chelsea)戦で、チェルシーのアントニオ・リュディガー(Antonio Rudiger)の他に、トッテナムの孫興民(Heung-Min Son、ソン・フンミン)も観客から人種差別を受けていたと新たに報じられた。

 チェルシーが2-0で勝利したトッテナム・ホットスパー・スタジアム(Tottenham Hotspur Stadium)での一戦では、後半にチェルシーのDFリュディガーが観客席からモンキーチャント(猿の鳴きまね)が聞こえたと訴え、アンソニー・テイラー(Anthony Taylor)主審が試合を一時中断した。

 この直前には、韓国代表FWの孫がリュディガーと衝突した際に相手を蹴ったとして一発退場となっていた。しかし、英紙ガーディアン(Guardian)の電子版が23日に報じたところによると、試合当日にはチェルシーのサポーターが孫に対する人種差別の疑いで逮捕されていたという。

 ロンドン警視庁(Metropolitan Police ServiceScotland Yard)はAFPの取材に対し、人種差別的な公共秩序違反があった疑いで逮捕したと説明したが、容疑者がチェルシーかトッテナムのサポーターであるかは明かさなかった。

 一方、リュディガーへの人種差別に関して徹底捜査を誓っていたトッテナムは同日、スタジアムのビデオカメラを「何時間も」検証したり、読唇術の専門家が映像を調べたりしたものの、初動捜査では容疑者を特定できなかったと発表した。

 トッテナムは人種差別行為が確認されたファンを無期限のスタジアム入場禁止処分にする姿勢を示したが、「現時点で決定的な証拠は得られていないと認めざるを得ない」と強調した。(c)AFP/Julian GUYER