【12月23日 AFP】フィリピンで、高濃度のメタノールを含んだとみられるココナツ酒を飲んで8人が死亡し、数百人が病院に搬送された。当局が23日、明らかにした。

 被害者は全員、先週末に首都マニラ南東のリサール(Rizal)で行われたパーティーに参加しており、酒を飲んだ後に腹痛を訴えた。

 マニラにあるフィリピン総合病院(Philippine General Hospital)のホセ・ヨナス・デルロサリオ(Jose Jonas Del Rosario)医師はAFPに対し、被害者のうち9人が重体だと述べた。

 警察によると、病院に搬送された300人は全員、同地域で購入された同じ銘柄の酒を飲んでいたという。

 これを受けて地元政府は、クリスマスの休暇期間にかけて需要が高まるこの酒の販売を即座に禁止した。

 市場に出回っているココナツ酒の多くは、地元住民の自家製で、政府は以前にも未登録のアルコール飲料の販売に対して警告を出していた。

 デルロサリオ氏によると、ココナツ酒の発酵による副産物の一つがメタノールであるため、失明や死亡の原因となる可能性がある。一部の製造者は、かさを増やすことでより多くの利益を得ようとし、メタノールが含まれたままにしておくという。

 フィリピンでは昨年も、ココナツ酒を飲み10人超が死亡している。(c)AFP