ラグビーNZ代表のスターがエジル選手に同調、「悲しい時代」と中国批判
このニュースをシェア
【12月23日 AFP】サッカーイングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)のメスト・エジル(Mesut Ozil)選手が、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)における中国政府のウイグル人弾圧を批判した問題で、ラグビーニュージーランド代表のソニー・ビル・ウィリアムズ(Sonny Bill Williams)選手は23日、エジル選手に同調し、「人間らしさ」よりも金銭を取った人がいると嘆いた。
中国の少数派イスラム教徒弾圧に対するエジル選手の批判が波紋を広げる中で、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)でラグビーW杯(Rugby World Cup)2連覇を経験したイスラム教徒のウィリアムズ選手もエジル選手に追随した。
ウィリアムズ選手はツイッター(Twitter)に、中国国旗を思わせる赤い手が、血に染まった「東トルキスタン(ウイグル分離派が使用する新疆ウイグル自治区の名称)」の旗風の別の手をつかんでいるイラストを投稿し、「人間らしさよりも経済的利益が優先される悲しい時代だ」という言葉を添えた。
人権団体や専門家によれば、中国では人権侵害がはびこっており、ウイグル人らイスラム教徒を中心とする少数派民族およそ100万人が拘束されているという。
こうした方針に対してエジル選手は、東トルキスタンの旗をバックに、トルコ語のメッセージが書かれた画像をツイッターに投稿し、その中で「コーランが焼かれ、モスクが閉鎖され、イスラム神学校が閉校させられ、聖職者たちが次から次へと殺され、兄弟(イスラム教徒)たちが強制的に収容施設へ送られている」「それなのにイスラム教徒たちは沈黙している。彼らの声が聞こえてこない」とコメントしていた。
すると中国政府はこれに猛反発し、日本では「ウイニングイレブン(Winning Eleven)」の名前で知られる人気サッカーゲーム「プロ・エボリューション・サッカー(Pro Evolution Soccer)」から同選手を削除し、15日のアーセナル対マンチェスター・シティ(Manchester City)戦の中継を取りやめた。
中国は10月にも、米プロバスケットボール(NBA)のヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)でゼネラルマネジャー(GM)を務めるダリル・モリー(Daryl Morey)氏が、香港の民主化デモを支持するつぶやきを投稿したことに反発し、対抗措置を取っている。(c)AFP