【12月23日 AFP】インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相(69)は22日、首都ニューデリーで与党の支持者らを前に演説し、新たな市民権法をめぐり死者が出る抗議デモが続き、同氏のヒンズー至上主義政府に対する圧力がこれまでになく強まるなか、インドのイスラム教徒らに心配しないよう呼び掛けた。

 モディ氏率いる政府が反イスラム的と非難されている新市民権法を議会で成立させて以降、約2週間続いている抗議デモや暴力行為でこれまでに少なくとも25人が死亡している。22日もヒンズー教徒が多数を占めるインドの各地で、多くの抗議デモが行われた。

 数千人の聴衆から「モディ!モディ!」と声が上がるなか演説したモディ氏は新市民権法に触れ、イスラム教徒に対し、生粋のインド人であるならば「心配する必要はまったくない」 と語り掛け、「この土地の息子であり、先祖が母なるインドの子であるイスラム教徒ならば、心配する必要はない」と述べた。

 南部ハイデラバード(Hyderabad)では21日夜、数万人が抗議デモに集結。翌22日にもジャイプール(Jaipur)やムンバイ(Mumbai)などで大規模デモが行われた。

 一方、ベンガルール(Bangalore)では、新市民権法を支持するデモに人々が集まった。

 同法は、隣国のイスラム教の3か国からインドに入国したヒンズー教、シーク(Sikh)教、ジャイナ(Jain)教、 パールシー(Parsi)教、キリスト教、仏教の各信者を含む少数派移民の市民権取得を容易にするものだが、イスラム教徒は除外されている。(c)AFP/Jalees ANDRABI