【12月21日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は20日、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でのウイグル人弾圧に国際社会から批判が集まっているにもかかわず、2021年にクラブW杯(FIFA Club World Cup)を同国で開催することが「歴史的な決定」である理由を説明した。

 21日に行われるリバプール(Liverpool FC、イングランド)対フラメンゴ(Flamengo、ブラジル)の19クラブW杯(2019 FIFA Club World Cup)決勝を控え、カタール・ドーハに滞在しているインファンティーノ会長は、「中国でも世界のどこの国でも、そこに行ってプレーするという話になると、人々はずっとこうした話題を取り上げ、疑問を呈することになるのだろう。このことによって状況が好転していくことも考えられる」と報道陣に語った。

 中国政府はウイグル自治区の北西部にある収容所に約100万人のウイグル人や主にムスリムの少数民族を押し込めており、これに国際社会は批判の声を上げている。同日には欧州連合(EU)の欧州議会(European Parliament)が、同国政府への制裁を呼び掛けた。

 この問題は前週、イングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)に所属し、トルコにルーツを持つドイツ代表のメスト・エジル(Mesut Ozil)が、少数民族ウイグル人に対する中国政府の弾圧を非難するコメントをツイッター(Twitter)に投稿したことで、サッカー界にも波及していた。

 国営の中国中央テレビ(CCTV)は、エジルの発言を受けて生中継する予定だったアーセナル対マンチェスター・シティ(Manchester City)戦の放送を中止。また、日本では「ウイニングイレブン(Winning Eleven)」の名前で知られる人気サッカーゲーム「プロ・エボリューション・サッカー(Pro Evolution Soccer)」の中国版からも、同選手の姿が削除された。しかしながら、アーセナルはエジル選手のコメントからは距離を置いている。

 クラブW杯は現在7チームが参加しており、現行フォーマットは来年が最後となる。2021年からは出場枠が24チームに拡大され、6月から7月にかけて中国で行われることになっている。(c)AFP