【12月20日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は20日、開催費が総額1兆3500億円に上るとする最終予算案を公表した。その中では、大会期間中の暑さ対策を含めた追加費用を相殺する収入の増加が見込まれている。

 今回発表されたバージョン4(V4)の予算案では、国内スポンサーと順調なチケット売り上げによる収入が約300億円増となっており、この金額は暑さ対策に加えて、輸送や警備などの項目で計上される見通しの費用をまかなえるものとなっている。

 総額1兆3500億円という数字は、昨年発表されたV3から変わっていない。自然災害などの緊急事態に備えるため、予備費として270億円も計上された。

 組織委によると、マラソンと競歩の札幌移転による追加費用についてはこの予算に組み込まれていない。

 夏季の東京では猛暑が予想されることからマラソン・競歩の会場は札幌に変更されたが、その費用負担に関しては現在も組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)との交渉が行われている。また、ミストシャワー(噴霧器)の使用や道路に遮熱性舗装を施すなど一連の暑さ・湿気対策に関する予算も明らかにされた。

 大きく膨れ上がる開催費用を懸念して一部の都市では招致活動を取りやめている現状を踏まえ、IOCは東京都にさらなる予算削減を求めている。しかし、予算をカットすればアスリートの経験や大会にとって極めて重要な「見え方」が損なわれる恐れがあり、東京都はそうした声にも押し込まれている。

 東京五輪の開催費は組織委員会と東京都の負担分に加え、国が1500億円を拠出することになっている。その金額のほとんどは、新しい国立競技場(Japan National Stadium)の整備費となっている。(c)AFP