【12月20日 AFP】男子テニスのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、長年のライバルであるアンディ・マレー(Andy Murray、英国)を「戦士」と称し、キャリアが危ぶまれるほどのけがから復帰した同選手の姿に「刺激を受けた」としている。

 わずか11か月前、32歳のマレーは全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)での記者会見で、二度とテニスができなくなるかもしれないと涙ながらに話していたが、それから股関節置換手術を受けてキャリアを続行。8月に米シンシナティ(Cincinnati)で行われたウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2019)でシングルスに復帰した後、10月にはヨーロピアン・オープン(European Open 2019)で約2年半ぶりにトロフィーを掲げた。

 1月にメルボルンで現役引退の可能性に言及した際にはとても考えられなかった中で、来月の全豪オープンに出場する予定のマレーは先日、鼠径(そけい)部のけがに見舞われてプレシーズンの練習を取りやめた。

 自分よりわずか1週間前に生まれたマレーとは12歳の頃から一緒に戦っているジョコビッチは最近、元世界ランク1位のマレーが複数回の手術を必要とする股関節のけがに苦しみ、その2年間の様子を振り返るドキュメンタリー番組を見て感動したといい、「4~5日くらい前に彼のドキュメンタリー番組を見た。一人のテニス選手として、そして昔から彼を知っている人間として、番組を見ているのは正直つらかった」と明かした。

「彼が直面してしてきた状況を見て、彼のこの2年間の様子や精神面、感情面、身体面での苦しみが本当によく分かった気がする」「とにかく驚くべき戦士として彼は人生を過ごしている。いろいろな出来事に直面しても諦めたりせず、リハビリや準備に励んで復帰を目指し、シーズンを通して数試合に臨んだ。それと諦めずに周囲の支えを受けながら、キャリアでの出来事をすべて乗り越えて家族と一緒に過ごしている姿を見て、本当に感銘と刺激を受けている」

 アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで行われているエキシビション大会、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)で会見に臨んだジョコビッチは、ステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)とアンドレイ・ルブレフ(Andrey Rublev、ロシア)の勝者と20日に対戦する。(c)AFP/Reem Abulleil