【12月18日 CNS】中国・四川省(Sichuan)臥竜(Wolong)国家級自然保護区管理局は17日、野生の亜成体双子パンダの撮影画面と動画を発表した。これは四川の臥竜で初めて撮影された野生の双子の子供パンダだ。

 同保護区木江坪(Mujiangping)保護ステーションの施小剛(Shi Xiaogang)所長によると、野生の亜成体の双子パンダの画像は、同局の赤外線カメラが今年の7月に四川・臥竜牛頭山地域で捕捉したものだ。画面には、海抜3100メートルの牛頭山の竹林脇で、2頭の2歳前後と思われる、体形がほとんど同じ野生のパンダが木の下でじゃれ合う姿が映っている。

 野生のパンダは通常双子を出産するが、生き残るのは1頭のみ。もう1頭は捨てられることが多い。今回撮影された双子がどのように生き残ったのか、同保護区の王鵬彦(Wang Pengyan)教授の分析によると、「臥竜には豊かな資源がある。十分な食物があり、親パンダが2頭の子パンダを育てる条件がそろっているところもある。次に、大部分の母パンダは2頭を養う力はないので、1頭は面倒が見られずに捨ててしまうが、今回のケースでは、母パンダが極めて強い母性本能を持っていたことと、もう一つ重要な条件、すなわち巣穴がぴったりだった可能性が強い」という。

 臥竜地域では、パンダは木の洞を使って子どもを育てる。ちょうど母パンダが入るのにぴったりの空間の巣穴が見つかれば、母パンダは腹の上に2頭の子供を乗せ、長時間抱いていることができる。隙間が無いので、子供は地表に落ちることもない。哺乳もできるし、温度を保つこともでき、排便も簡単だ。このような子どもを育てるに適した環境条件が、この双子を生かしたのではないか」という。

 臥竜保護区では昨年より、新たなパンダの野外調査を開始し、赤外線センサーによる自動撮影技術などを使い、地域内のパンダの生息状態を詳しく調査している。最近回収したデータの中で、今回の画像を発見したことは、重要な意義がある。臥竜の自然保護が大きな効果を上げていることを証明しただけでなく、パンダ研究者に野生パンダの繁殖・育成の貴重な研究データを提供している。(c)CNS/JCM/AFPBB News