【12月18日 AFP】ドイツの首都ベルリンで先週、第2次世界大戦(World War II)中にホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)の立案に携わり、英国で訓練を受けた工作員に暗殺されたナチス・ドイツ(Nazi)高官、ラインハルト・ハイドリヒ(Reinhard Heydrich)の墓が掘り起こされていたことが分かった。ドイツ警察が16日、明らかにした。

 警察がAFPに明かしたところによると、ハイドリヒの墓は「11日~12日の夜に掘り起こされ」、墳墓発掘の容疑で捜査が開始された。ドイツメディアによると、持ち去られたものはないとみられる。

 ハイドリヒはナチス・ドイツで、秘密警察ゲシュタポ(Gestapo)を傘下に置く国家保安本部(RSHA)の長官として権力をふるった。他の幹部ほど知名度はないが、強い影響力を持っていた。

 ドイツ第三帝国(Third Reich)のエリートの中でもその残虐さは際立っており、マリオ・ディーデリヒス(Mario Dederichs)氏が手掛けた伝記「Heydrich: The Face of Evil(原題)」によると、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)はハイドリヒを「鉄の心臓を持つ男」と称賛していたとされる。

 ハイドリヒは1942年1月20日、バンゼー会議(Wannsee Conference)を招集。欧州のナチス占領地域におけるユダヤ人絶滅政策、ホロコーストについて話し合った。(c)AFP