【12月18日 AFP】ウクライナ疑惑をめぐるドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の弾劾訴追案の採決を翌日に控える中、トランプ氏は17日、自身は「クーデターの試み」の被害者で、17世紀の魔女裁判の被告よりも少ない権利しか与えられていないと怒りもあらわに訴えた。

 トランプ氏は、民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長に宛てた6ページに及ぶ異例の書簡の中で、「歴史があなたを厳しく裁くだろう」と述べた。「憲法尊重擁護義務に違反し」「米民主主義に対し宣戦布告している」とペロシ氏を非難した。

 さらに、「セーレム魔女裁判(Salem Witch Trials)の被告」よりも少ない権利しか与えられていないと訴えた。セーレム魔女裁判は17世紀の米国で行われた裁判で、この判決に基づき約20人が処刑された。誤審と宗教過激主義で悪名高い。

 民主党が多数派を占める下院では18日、ウクライナ疑惑をめぐるトランプ氏の職権乱用と議会妨害の罪を問う弾劾訴追案の採決が行われる。可決され、トランプ大統領は弾劾訴追される見通し。

 共和党が多数派を占める上院でも来年1月に弾劾裁判が開かれる見通しだが、こちらは否決が確実視されている。

 トランプ氏は大統領執務室(Oval Office)で報道陣に対し、間違ったことは一切していないと主張し、「全くのでっち上げだ」と訴えた。さらに、この危機に対して何か責任を取るのかと問われると、「一切負わない。ゼロだ」と回答した。(c)AFP/by Paul Handley and Sebastian Smith