【12月17日 AFP】インドで新たに制定された市民権関連法が反イスラム的だと批判されている問題で、同国各地で16日、新たな抗議デモが行われた。前日のデモでは北東部で6人が死亡し、首都ニューデリーでは最大200人が負傷している。

「市民権改正法(CAA)」と呼ばれる新法は、パキスタン、アフガニスタン、バングラデシュの隣国3か国から入国した非イスラム教徒移民を対象に、市民権取得手続きを迅速化する内容。反対派は、ヒンズー至上主義を掲げるナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が同法を通じて国内に2億人いるイスラム教徒を疎外しようとしていると主張している。

 一方、モディ首相は16日、ツイッター(Twitter)への投稿でこれを否定。新法は「いかなる宗教のインド市民にも影響しない」と主張した。

 同日にはニューデリー、チェンナイ(Chennai)、ベンガルール(Bangalore)、ラクノー(Lucknow)など複数の都市で新たな抗議デモがあり、ラクノーでは学生数百人が警察署への突入を試みた。また、北東部でも再びデモが発生した。住民の多くが移民全般に対する市民権付与に反対する北東部は、ここ数日にわたり続く抗議行動の中心地となっている。

 16日夜時点で大きな騒乱は起きていない模様だが、デモが2日目を迎えたニューデリーでは複数の地下鉄駅が閉鎖された。

 ニューデリーでは15日夜、暴徒らが複数の自動車に放火。さらに、警棒を持った警察官が学生のデモ隊と衝突し、催涙弾を放った後にジャミア・ミリア・イスラミア大学(Jamia Millia Islamia University)に突入した。

 同大学の副学長は16日、200人が負傷したと説明。一方で警察は、学生39人と警察官30人が負傷し、けがをした警察官のうち1人は重傷としている。(c)AFP/Aishwarya Kumar with Jalees Andrabi in Guwahati and Sailendra Sil in Kolkata