【12月16日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は16日、首都北京を訪れた香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官と会談し、同長官に対する中国政府の「揺るぎない支持」を表明した。

 半年に及ぶ民主派デモに揺れる香港では、今月も大規模な抗議集会が行われ、最近行われた区議会選挙では林鄭長官率いる政権側が大敗。デモ参加者らは同長官の辞任を要求してきた。

 しかし豪壮な人民大会堂(Great Hall of the People)で林鄭長官を迎えた習国家主席は「香港の非常時に長官が示した勇気と責任感を十分に認識している」と話した。

 また「長官が法にのっとって統治する香港特別行政区を率いていくよう、揺るぎない支持を続けていく」と述べた。

 これに対し林鄭長官は、習氏が示した香港の状況への懸念に加え、「われわれのための助言、そしてこのような大きな危機に対応する香港政府と私自身への信頼と支持」に謝意を表した。

 さらに同長官は習氏との会談後に開いた記者会見で「過去6か月間に私が受けてきた圧力を習主席が理解してくれたこと、また自らが示してきた責任感と勇気の度合いを認識してくれたことに励まされた」と語った。

 香港の区議会選挙で民主派の諸政党が大勝したことを受けて、ここ1か月ほどは暴力沙汰や破壊行為は減っている。ただこのような選挙結果にもかかわらず、中国政府や林鄭長官がさらなる譲歩の兆しを見せていないことに、市民は依然怒りを抱いている。(c)AFP