【12月13日 AFP】インド北東部で12日、市民権に関する新法案に抗議する群衆に対し警察が発砲し、2人が死亡、複数が負傷した。地元医師が明らかにした。

 政府は北東部アッサム(Assam)州グワハティ(Guwahati)に治安部隊5000人を派遣し、携帯電話によるインターネット通信を遮断したが、法案に反対する人々は外出禁止令に背いてデモを実行。治安部隊に加わった警官隊が、空包と実弾の両方を発砲した。

 グワハティ医科大学病院(Guwahati Medical College)の医師がAFPに伝えたところによると、多数がさまざまな種類のけがをして治療を受けている。21人が病院に搬送され、中には実弾を受けた人が複数いたという。

 11日に議会を通過した「市民権改正法案(CAB)」は、近隣3か国からインドに入国した少数派宗教信者の市民権取得手続きを迅速化するものだが、イスラム教徒は対象外となっている。

 イスラム系団体や野党、権利団体らは、ヒンズー至上主義を掲げるナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が同法を通じ、インド国内に2億人いるイスラム教徒を疎外しようとしていると主張。モディ首相はこれを否定している。

 一方で、北東部の住民の多くは、同法によってバングラデシュから入国したヒンズー系移民が市民権を得る可能性があるとして反発している。(c)AFP