【12月11日 AFP】米英語辞典のメリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)は10日、2019年の「ワード・オブ・ザ・イヤー(Word of the Year)」は、ノンバイナリー(自らを男性と女性のどちらでもないと認識する人)に使われる代名詞「they」に決定したと発表した。

 英語を話す際に、出生時の性別に関係なく自認する性別を表す代名詞を選ぶ権利を行使する人が増えており、「she」や「he」の代わりに「they」などが使われている。

 メリアム・ウェブスターは今年9月、「they」の用法にノンバイナリーの代名詞としての用法を追加。三人称単数の代名詞としても使用できると説明した。

 メリアム・ウェブスターのウェブサイトによると、この用法をオンライン版辞書に追加したのは、「英語においてその用法が確立していることは疑う余地がない」からで、「they」の検索回数は1年間で313%増加したという。

 ノンバイナリーはテレビやポップカルチャーに進出している。たとえば英歌手サム・スミス(Sam Smith)さんは最近、「自分のジェンダーとの非常に長い闘いを経て」代名詞の「they」や「them」を好んでいると明らかにした。

 米IT大手アップル(Apple)も、基本ソフト(OS)の最新バージョンに性別の区別がない「ニュートラル(中立)」な絵文字を追加した。(c)AFP