【12月11日 AFP】(更新)太平洋に浮かぶ島しょ国パプアニューギニアのブーゲンビル(Bougainville)自治州で11日、独立の是非を問う住民投票の開票結果が発表され、住民の圧倒的多数が賛成に票を投じていたことが分かった。新国家誕生へ大きな一歩となる結果だ。

 住民投票は11月23日に始まり、2週間にわたって実施された。アイルランド元首相で住民投票委員会の委員長であるバーティ・アハーン(Bertie Ahern)氏によると、投票者の98%に当たる17万6928人が賛成票を投じ、パプアニューギニア残留に票を投じたのは3043人にとどまった。

 住民投票の結果はパプアニューギニア議会での承認が必要となる。ブーゲンビル自治州独立に反対する勢力もいるが、独立賛成派の圧倒的勝利により承認への圧力は高まるものとみられる。

 アハーン氏はブーゲンビル自治州のブカ(Buka)で会見を行い、結果を受け入れるようすべての勢力に呼び掛けるとともに、投票が「あなた方の平和、歴史、未来」に関するのもので、「武器をしのぐペンの力」を証明するものだったと強調した。

 ブーゲンビル自治州では反政府勢力やパプアニューギニアの治安部隊、外国人の傭兵(ようへい)らによる内戦が10年以上にわたって続き、人口の約1割に当たる最大2万人が死亡。内戦は1998年に終結、今回の投票は和平プロセスと復興を締めくくるものとなる。(c)AFP