【12月11日 AFP】(更新)米民主党は10日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に対する弾劾条項(弾劾訴追状)を発表し、大統領が罷免に値する職権乱用など2件の罪を犯したと主張した。

 弾劾条項は正式な決議案の形式で、トランプ氏を職権乱用と議会妨害の罪に問う内容。職権乱用は、大統領がウクライナ政府への支援を保留し、民主党の政敵に対する捜査の発表を求めたことによるもの。また議会妨害は、弾劾調査のため出された召喚状に従わないよう連邦当局者らに命じたことによるもの。

 決議案は今週、下院司法委員会(House Judiciary Committee)により可決され、来週には下院本会議で採決にかけられる見通し。可決されれば、トランプ氏は弾劾訴追され、上院で弾劾裁判にかけられる史上3人目の米大統領となる。

 下院司法委員会のジェリー・ナドラー(Jerry Nadler)委員長(民主党)は「次のことをはっきりさせなければいけない。たとえ大統領であろうとも、法を超越することは誰にもできない」と表明。「彼は(国民の)信頼を裏切り、国よりも自身を優先することで、憲法やわれわれの民主主義、国家安全保障を危険にさらしている」と指摘した。

 一方のトランプ氏はツイッター(Twitter)への投稿で、弾劾条項の内容を「ばかげている」と一蹴。自身は「魔女狩り」の被害者だとの主張を改めて展開した。(c)AFP