■「2030年ごろまで稼働できる」

 2011年に福島第一原発事故が起きて以来、スイスでは原子力の安全性をめぐる議論が高まっている。その議論の中心にあるのがベズナウ原発だ。福島での事故後、スイス政府は段階的に脱原発を進め、国内4か所の原発を閉鎖する計画を発表したが、その期限は決められていない。

 3年前に実施された国民投票では、45年以上稼働している原子炉を廃止し、原発閉鎖を前倒しする案は否決された。

 スイス・エネルギー局はAFPの取材に対し、「原発の運転期間は定められていない」と指摘する。そしてそれが意味するのは、ENSIが安全だと見なし、事業者が収益を上げられ、また求められる安全基準を満たすための改修に投資できる間は、原発を稼働し続けることができるということだと話した。

 アクスポのドスト氏も、「私たちは原発を2030年ごろまで稼働できると考えている」と述べている。(c)AFP/Eloi ROUYER