【1月6日 AFP】カンフーを習得するヒマラヤ(Himalaya)地方の尼僧たち「カンフーシスターズ」は、武術を通して、家父長制社会における女性の役割をめぐる固定観念と闘っている。

「ヒマラヤ山脈では女性は平等に扱われず、平等な機会も与えられていない…だから私たちは女性の権利を向上させたい」と、尼僧のジグメ・コンチョク・ラモ(Jigme Konchok Lhamo)さん(25)はAFPに語った。「カンフーは男女平等を訴えるのに役立っている。私たちは前よりも自信を持ち、体力的にも精神的にもより強くなった」

 カンフーを学ぶ尼僧らは、ネパールにある尼僧院「Druk Amitabha Mountain Nunnery」からやって来た。由緒あるチベット仏教の学校に在籍している。

 チベット仏教カギュー派の高僧ギャルワン・ドゥルクパ(Gyalwang Drukpa)師は2008年、仏教界に男女平等をもたらす取り組みの一環として、女性にカンフーを習得するよう促し、女性や少女が僧院から離れることや祈りを執り行うこと、一人前の聖職者になることを禁じる伝統的な規範に挑戦するよう奨励した。

 ラモさんは12歳の時、家族からの強い反対を振り切って尼僧になった。少女たちのための啓発活動を認められ、昨年の秋、米ニューヨークで国際賞を受賞した。

「初めは多くの批判があった。私たちがおきてを破っているから、人々は好意的ではなかった」とラモさんは言う。

「でも、今は私たちが同じ場所(ネパール)に戻ると、多くの好意的な反応を受け取る」という。「私たちは学校に招待される。彼らは女子学生らを前に、男子学生らを後ろに座らせる。女子学生にも男子学生と同じように、私たちに質問し話す機会を与えている」 (c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA