【12月11日 AFP】中国人武道家、リー・ジェン(Li Zhen)さん(21)が初めて闘牛場に足を踏み入れ、成牛を相手にしたときは、もちろん、身がすくんだ。「かなり怖かった。何といったって、相手は雄牛だから」と、リーさんは話す。

 だが訓練で恐怖を乗り越えたリーさんは、今では上海から南西に約100キロ離れた「ハイフア武道センター(Haihua Martial Arts Centre)」で、カンフーを使った闘牛のトレーニングをしている。

 中国における闘牛は、イスラム教を信仰する少数民族・回族の伝統的スポーツだが、国内では動物虐待だという非難の声もある。

 たくましい体つきをした同武道センター指導者、ハン・ハイフア(Han Haihua)さん(65)は、儀式的に雄牛を殺すスペインの闘牛と比べて、「私たちの闘牛は血も流れず、残酷ではない」と反論する。

 ハンさんによると、総合格闘技や柔道、テコンドーなど、あらゆる分野のスポーツ選手100人以上からこれまでに反応があったという。

 年1度の試合を通して闘牛を広めていきたい、と話すハンさんの最終的な目標は、闘牛をオリンピック種目にすることだ。(c)AFP/Matthew KNIGHT