トランプ氏、ロシア外相と電撃会談へ 機密漏えい疑惑から2年半
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【12月10日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は、10日にドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と米首都ワシントンで会談すると発表した。
会談ではマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官も交え、米ロが深く関与しているシリア、イラン、北朝鮮問題について話し合われる見通し。またロシアがウクライナの分離独立派を支援していることで緊張している両国関係について、トランプ氏がラブロフ氏に外交的打開策を提案するものとみられている。
ラブロフ氏の訪米は2017年5月以来約2年半ぶりだが、前回の会談ではトランプ氏がラブロフ氏とセルゲイ・キスリャク(Sergey Kislyak)駐米大使(当時)に対し、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に関する機密情報を漏えいしたと米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が伝え、大きな問題となった。
同紙報道によるとこの機密情報は米国の同盟国が提供したもので、米政府には他国との共有が認められていなかった。非難されたトランプ氏は、自分にはテロリズムと航空機の安全性に関する事実を共有する「絶対的権利がある」と言い張った。
米情報機関は16年米大統領選でロシアによる介入が実際にあったと結論付けており、ラブロフ氏を迎えるトランプ氏にとって、ロシアとの関係はいまだ晴れない暗雲だ。
おまけにトランプ氏はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領に対し、同国への支援と引き換えに、20年米大統領選の民主党候補として有力視されているジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領に関する不利な情報の収集を要求したとされる、いわゆる「ウクライナ疑惑」で弾劾調査に直面している。
トランプ氏はさらに16年米大統領選に介入したのはロシアではなくウクライナだという説を調査するよう主張しているが、米情報当局は頑としてこの説を退けている。
一方、仏パリでは9日、仏独首脳の仲介によるウクライナ東部紛争をめぐる和平会談が行われ、ゼレンスキー氏がウクライナ大統領就任以来初めて、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と直接対談した。(c)AFP