【12月10日 CNS】インターネットで寄付金募集を行うクラウドファンディングのプラットフォームが誕生してから5年が経つ。先ごろ、重病患者に対する寄付金を集める公益プラットフォーム「水滴籌(Shuidichou)」に対する潜入調査の動画が拡散し、注目されている。

 動画には、「水滴籌」が40を超える都市の病院に常駐させている業務員の実態が記録されている。業務員らは自らを「ボランティア」と称し、病院内で資金援助を求める人を探し、勝手に募集金額を記入。助けを求める人の実態を審査もせず、寄付を求める人の財産を故意に隠すなどの状況も見られる。

 取材によると、多くの重病患者の治療費寄付金プラットフォームは、各地の病院で業務促進活動を展開しており、業務員らは病院の病室で「顧客争奪戦」を繰り広げ、患者がすでにほかのプラットフォームでクラウドファンディングを開始したことを知りつつも、重複して募金の呼びかけを開始する状況もある。

■販売員同士が「顧客争奪戦」で暴力

 動画の中で、ある業務員は、毎月のノルマは契約35本、達成できなければクビだという。

 報道によると、治療費寄付金のクラウドファンディングを行う類似の公益プラットフォーム「愛心籌(Aixinchou)」が西安(Xi’an)のある病院で先月、募金業務を行った際、「水滴籌」の業務員から妨害を受けたという。10月に入って以来、複数の「ボランティア」が相次いで妨害を受け、10月26日に「愛心籌」西安地区の責任者が西安のある病院に赴き問題に対応していた際、相手によって病院の外の道に連れていかれ殴られたとされる。

 クラウドファンディングプラットフォームは、これまで歩んできた道を振り返る時期が来ている。今回行った取材の中で、専門家やボランティアらは異口同音に「審査の厳格化」を提案している。

「水滴籌」もコメントの中で、旧来の患者人数を主とする査定方式を捨て、プロジェクトの最終審査合格数をベースとし、募金プロセス全体を評価し、プロジェクトの真実性、合法性とサービスの質を査定の軸とする、新しい査定方式への転換を進めるとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News