NZホワイト島の火山噴火、付近に外国人含む観光客約50人 1人死亡
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【12月9日 AFP】(更新、写真・図解追加)ニュージーランド北部沖にあるホワイト島(White Island、マオリ名:ファカアリ、Whakaari)の火山が9日、突然噴火した。当局によると噴火時、島とその周辺には外国人を含む観光客が50人ほどいたとみられ、少なくとも1人が死亡したほか、複数の負傷者や行方不明者が出ているという。
ニュージーランドの警察当局は、1人の死亡を確認したと発表。島内にいて連絡が取れなくなっている人の数は正確に分かっていないが、「現時点では警察・救急当局が島に上陸するのは危険すぎる」との見解を示した。また、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は噴火時、島とその周辺には「ニュージーランド人と海外からの観光客」がいたことを明らかにした。
噴火したホワイト島は、ニュージーランド北島(North Island)の景勝地プレンティー湾(Bay of Plenty)の沖合約50キロにある火山島。ヘルメットやガスマスクを着用して噴火口を歩く観光ツアーが人気で、毎年およそ1万人が訪れる。
9日も噴火直前の午後2時10分(日本時間同午前10時10分)ごろ、噴火口の内側を歩く数人の観光客の姿がライブカメラに映っていたが、すぐに画面は噴火のため暗転。観光客の安否が気遣われている。
警察は、噴火時刻を午後2時11分と発表している。ニュージーランド政府の危機管理当局によると、噴火の規模は「中程度」だが、火山周辺は危険な状況だという。噴火時のホワイト島とその周辺には50人前後の観光客がいたとされる。現場に急行中の救急隊には、負傷者が20人ほどいるとの情報が入っているという。
北島ファカタネ(Whakatane)のジュディ・ターナー(Judy Turner)市長は、AFPに「複数の負傷者が出ており」救助活動が行われていると述べた。
ニュージーランドの地震監視サービス「ジオネット(GeoNet)」によると、ホワイト島はニュージーランドで最も活発な円すい火山で、全体の70%が海中にある。過去50年間に頻繁に噴火を繰り返しており、直近では2016年に噴火。今年8月、ニュージーランド軍は噴火に備えた緊急シェルターとして、重さ2.4トンのコンテナをホワイト島に空輸していた。(c)AFP