【12月9日 AFP】競馬の香港国際競走(2019 Hong Kong International Races)が8日、沙田競馬場(Sha Tin Racecourse)で行われ、日本馬が4レース中3レースで優勝。世界を席巻してきたシーズンを象徴するような1年の締めくくりとなった。

 今年、オーストラリアやドバイ、英国でG1を制覇している日本馬は、今回は香港ヴァーズ(Hong Kong Vase、芝2400メートル)をグローリーヴェイズ(Glory Vase)が、香港マイル(Hong Kong Mile、芝1600メートル)をアドマイヤマーズ(Admire Mars)が、そして香港カップ(Hong Kong Cup、芝2000メートル)をウインブライト(Win Bright)が制した。

 海外へ遠征して重賞レースに積極的に参戦する姿勢について、グローリーヴェイズの尾関知人(Tomohito Ozeki)調教師は「このコースはこの馬に合っていると思い、目標にしていたからうれしい」「自分が携わった馬に勲章を与えることが自分の仕事なので、幸せに思う」と説明した。

 香港ヴァーズではラッキーライラック(Lucky Lilac)も2着に入って日本馬のワンツーが実現。連覇を狙った地元人気のエグザルタント(Exultant)は3着に食い込んだ。

 香港マイルでは、現地で単勝27倍の穴馬だった友道康夫(Yasuo Tomomichi)調教師のアドマイヤマーズが番狂わせを起こした一方、3連覇を狙った昨季の年度代表馬ビューティージェネレーション(Beauty Generation)は3着となり、地元ファンの期待に応えることはできなかった。

 香港カップを勝利したウインブライトは、4月にもこのコースでG1のクイーンエリザベス2世カップ(QE II Cup)を制しており、見事に沙田年間2勝を達成している。アイルランドの名高いクールモア(Coolmore Stud)が所有する、エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)きゅう舎のマジックワンド(Magic Wand)が2着に入り、このレースも海外勢のワンツーという結果になった。

 過去にも香港勢が圧倒してきた残る1レースの香港スプリント(Hong Kong Sprint)は、今年も海外馬が1頭しか出走せず、その中で安定感のあるビートザクロック(Beat The Clock)がホットキングプローン(Hot King Prawn)、さらには1.5倍と圧倒的な一番人気だったエセロ(Aethero)を抑えて優勝した。

 ビートザクロックはこれで今年のG1で3勝目。グローリーヴェイズにも騎乗し、今大会2勝を挙げたジョアン・モレイラ(Joao Moreira)騎手はビートザクロックの香港競馬界での立ち位置を疑っておらず、「この馬の速さに疑問符をつけ、2番手と考える人もいたようだが、この馬は香港最強のスプリンターだ」と話している。(c)AFP