【12月7日 AFP】反政府デモが続くイラクの首都バグダッドで6日、デモの拠点を複数の男が襲撃し、デモ参加者12人が銃撃により死亡した。イラクをめぐっては米国が同日、イランによる「干渉」を非難し、イランが支援するイラクの武装勢力の幹部3人に制裁を科したと発表した。

 バグダッドの主要デモ拠点となっているタハリール広場(Tahrir Square)には5日、民兵組織「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」を支持する数千人が集結しており、デモ参加者らは混乱を警戒していた。

 反政府デモは6日、比較的落ち着きを見せていた。しかし、複数の目撃者がAFPに語ったところによると、夜に武装した男らがピックアップトラックに乗って現れ、デモ隊がこの数週間拠点にしていた大きな建物を襲撃した。

 医療関係筋がAFPに語ったところによると、少なくとも12人が銃撃で死亡し、数十人が負傷。犠牲者の数は増える恐れがあるとしている。現場付近の野外診療所で活動する医師は、軽い刺し傷を負った少なくとも5人の手当てをしたと話した。

 国営テレビは、「身元が特定されていない男ら」がこの建物に火を放ったと伝えた。

 反政府デモは10月1日、バグダッドとイスラム教シーア派(Shiite)が過半数を占める南部で発生。今回の事件により、デモ発生以降の死者数は440人、負傷者は約2万人に上った。

 米国は6日、反政府デモの参加者に対して死傷者を出す弾圧を行ったとして、イランの支援を受けたイラクの武装勢力の幹部3人に制裁を科したと発表。イランに対し、イラク内政への関与を避けるよう警告した。

 イランはイラクの政界と軍関係者に対して多大な影響力を持ち、とりわけ人民動員隊における影響力は大きい。(c)AFP