【11月29日 AFP】(更新)反政府デモが続くイラクで28日、イラン領事館の放火を受けた政府による弾圧などによりデモ参加者37人が死亡した。

 首都バグダッドと同国南部での抗議デモでは、2003年の米主導の侵攻によるサダム・フセイン(Saddam Hussein)政権崩壊以降のものとしては、最も多くの犠牲者が出ている。デモ参加者は政府と、政府への影響力を強めるイランに対し激しい怒りを向けている。27日夜には、自国の政治へのイランの影響に激怒したデモ隊が、イスラム教シーア派の聖地ナジャフ(Najaf)のイラン領事館に放火。「イラクに勝利を!」「イランは出て行け!」と連呼した。

 軍によると、これを受けてイラクのアデル・アブドルマハディ(Adel Abdel Mahdi)首相は28日朝、軍幹部に情勢の不安定な複数の州に部隊を配備し「防護処置を課し、治安を回復するよう」命じた。

 同国南部ナーシリーヤ(Nasiriyah)では、治安部隊が座り込みをしていたデモ参加者を実弾により解散させた。救急隊筋と治安筋によると、この極めて残虐な弾圧により、デモ隊の25人が死亡、200人余りが負傷した。さらにバグダッドで2人、ナジャフで10人が死亡した。

 イラクでは今月初め、同国の聖地の一つカルバラ(Karbala)にあるイラン領事館がデモの標的となり、治安部隊による発砲でデモ参加者4人が死亡している。(c)AFP