【12月3日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は2日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれる英国の首都ロンドンに到着した。英国は欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)を争点とする重要な総選挙を10日後に控えている。

 トランプ氏は英国に向かう機内で、NATO加盟国全てに防衛費を引き上げるよう要求し、説得したと豪語するツイートを投稿。「私が大統領に就任して以来、NATO加盟国の多くがその義務を果たし、2倍以上引き上げた」と述べた。

 NATO各国の首脳は、トランプ氏が各加盟国の軍事費支出増加に対し満足感を示してしていることにひとまず安心できるだろうが、総選挙を間近に控えたボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は、トランプ氏の訪英に不安をぬぐえない。

 世論調査の結果から、欧州連合からの離脱を公約に掲げるジョンソン氏が総選挙で過半数を獲得すると予想されるなか、最大野党・労働党のジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首は、ジョンソン氏のトランプ氏との親密な関係を非難している。

 労働党は特に、米国との貿易協定締結と引き換えに、米国の大手製薬会社が英国の国民医療保険制度「国民保健サービス(NHS)」により有利にアクセスできるようにしようとしているとジョンソン氏を非難。ジョンソン氏はこれを否定している。

 トランプ大統領夫妻は、大統領専用機エアフォースワン(Air Force One)でロンドン郊外のロンドン・スタンステッド空港(London Stansted Airport)に到着後、専用車両で駐英米国大使公邸「ウィンフィールド・ハウス(Winfield House)」に向かった。

 トランプ氏は2日間にわたって行われるNATO首脳会議の他、二国間協議をいくつか予定しており、3日にはバッキンガム宮殿(Buckingham Palace)でエリザベス女王(Queen Elizabeth II)との夕食会に参加する。(c)AFP