【12月3日 AFP】イランで先月発生したガソリンの値上げに対する抗議デモへの弾圧で、少なくとも208人が死亡したとみられると、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が2日、信ぴょう性の高い筋の報告として発表した。

 先月下旬の発表より60人以上増えており、実際の死者数はさらに多い可能性があるという。最多の死者が記録されたのは、数十人が死亡したテヘラン(Tehran)州のシャハリアリ(Shahriar)市。

 デモは11月15日、ガソリン価格を最大3倍に引き上げるという衝撃的な発表をきっかけに始まった。デモは鎮圧されたが、当局は約1週間にわたってほぼ完全にインターネット接続を遮断した。

 アムネスティで中東・北アフリカ担当代表を務めるフィリップ・ルーサー(Philip Luther)氏は死者数について「イランの治安部隊が恐ろしい大虐殺を行った証拠」であり、「ほぼすべてが銃器を使用した結果による死者だ」と述べ、国際社会に徹底した責任追及を求めた。

 アムネスティが収集した情報によると「犠牲者の遺族が、メディアに話したり葬儀を行ったりしないよう、脅されたり警告されたりした例」や「家族の遺体を引き取るために法外な支払いを要求された例」もあるという。(c)AFP